Posted in 2010年5月19日 ¬ 11:34 AMh.masui
1 ダムマネーはどこに流れているか?
ダムマネーとは世界経済を血液の循環のように流れる巨大なマネーのことであり、このダムマネーがどこから出て、どこに向かっているのかを掴むことが、投資の場合、もっとも重要である。今回のギリシャソブリン問題は、リーマンショックの再来のような印象をマーケットに与え、市場は信用不安に陥り、投資マネーは株式から逃げ出し、金や債権などに向かった。
市場に出ている株式の数量は変わらないので、ダムマネーが株式市場から流出すれば株価は下がり、市場全体の株式時価総額は目減りする。つまり、経済学でいう需要曲線と供給曲線の関係では供給曲線が大きく右にシフトし、株式価格は下がることになる。
株式トレードでは大局観が一番大事である。つまり、どのセクトどの銘柄のセンチメントが強いか弱いかを大局的に判断するわけだが、その前に、まず市場全体のダムマネーがどこからどこに向かっているかを把握しないとだめである。つまり、株式市場からダムマネーが流出しているときは、市場は超弱気となっているので、いかにセンチメントが強く、またファンダメンタルズがよかっても、株価は絶対に上がらない。もちろん、マネーは貪欲でわがままだから、一旦流出しても、じっと次の機会をうかがっている。だから、マネーが一時的に流出しても悲観することはない。
まとめると、ダムマネーが流出しておれば、マーケットは弱気となり、流入しておれば強気となる。大局観で一番肝心なのが市場全体のセンチメントが弱気か強気かを判定することである。
次に、大切なことはジャンルやセクトのセンチメントである。ジャンルのセンチメントとは輸出関連とか資源とかといった大きなくくりでのセンチメントである。セクトのセンチメントとは輸出関連の中で機械、自動車、電機といったジャンルの中でのセンチメントである。さらにセクトの中で自動車であればトヨタ、ホンダ、日産と言った風になる。
したがって、本当の意味でのセンチメントが強いとは、市場全体が強気で、輸出関連が強気でとくに自動車が強く、そのなかでもホンダが一番強いと言う風に考えていく。とにかく、なにもかも一番強いのが買い銘柄としては最高なわけである。空売りを仕掛けるならすべてはこの逆になる。
センチメントは大きくわけて、強気、弱気、ニュートラルとなる。もちろん強気と言っても、超強気、強気、やや強気とその程度は何段階に分かれる。そして、強気なら買い、弱気なら売り、ニュートラルなら、強気銘柄と弱気銘柄をわけて考える。
Posted in 2010年4月27日 ¬ 4:36 PMh.masui
5 株式投資はギャンブルである。
ほとんどの人が株式投資はギャンブルかまたはそれに近いものと考えている。しかし、株式投資の勘違いの典型である。つまり、株式投資、少なくとも株式トレードはギャンブルではない。確かに、ギャンブル的要素が含まれていることは間違いないが、カジノやパチンコや競馬のように、胴元が、ある一定の比率でエッジ(確率的優位性)を持ち、お客からお金を巻き上げるシステムにはなっていない。株式トレードも証券会社に手数料を支払うという意味では、よく似たところはあるが、ネット証券ではその手数料も桁外れに小さい(現物売り買いの往復で3,000円くらいだから500万円の投資で0.06%と極めて小さい)ので、ギャンブル(競馬で25%、パチンコでも25%くらい、カジノでゲームごとに5%、宝くじで50%)とは比べられない。
もちろん、株式トレードはゼロサムゲームと言われ、負ける人の失うお金が勝つ人に回る仕組みになっているが、単純にそうでもない。市場に資金が流入し、マーケットの資金が増え続けるときは、株は上がり続けるので、負ける人はあまりおらず、みんなハッピーになれる。しかし、一度株価が下がりだすとそこからは、ばば抜きゲームが始まり、ばばを引いた人が損をかぶることになる。いかにして、相手を出し抜き、自分だけ利益を奪い、相手にばばを抜かせるかが勝負の分かれ目になる。その意味ではギャンブルより過酷なゲームと言える。つまり、ラスベガスの大きなカジノではほとんどイカサマはないが、株式市場はイカサマだらけでだまされた方が負けの世界である。
そして、株式市場とは、巨大な投資家(特定することはできないが)があらゆる手段を使って、一般投資家を落とし入れ、だまし、金を巻き上げる世界である。また、巨大な投資家は資金だけではなく、ずば抜けた頭脳の持ち主を使い、コンピューターを駆使し、あらゆる権力と資金で情報を集め、ときには情報を操り、市場を脅したり、有頂天にさしたりして、株価を動かし、利ざやを奪うのである。ということはギャンブルよりもえげつなく汚く恐ろしい世界だということである。
まあしかしそれほど怖がることもない。大事なことは市場で今何が起きており、巨大な投資家が株価をどのように動かそうとしているのかを冷静に観察することである。巨大な投資家と言えども、彼らは多様な組織や人の集まりであり、互いにだましあい、戦い、お金を奪い合っているのである。その意味で資金の違いこそあれ、われわれも同じ競争のなかにいるわけである。もちろん資金力や情報量では不利な立場にあるが、だからといってかれらがいつも勝てるとは限らないのである。
話が長くなったが、このあたりで株式トレードとは何かをまとめてみたい。
1 株式トレードはマーケットを冷静に観察するゲームである。
2 株式トレードはトレンドに乗るゲームである。
3 株式トレードは強気を買い、弱気を売るゲームである。
4 株式トレードは確率的統計的優位性を追及するゲームである。
5 株式トレードは予算管理、資金管理のゲームである。
6 株式トレードは時間管理、時刻管理のゲームである。
7 株式トレードはリスク管理のゲームである。
8 株式トレードは利益管理のゲームである。
9 株式トレードは自己管理のゲームである。
以上、思いつくままに、ざっと9個の特徴を要約したが、考えてみるとこれは経営学で学ぶ内容と同じものであることが分かるだろう。つまり、株式トレードは典型的なビジネスの一つであって、決してギャンブルではない。「ギャンブルならラスベガスですればよい。ラスベガスなら負けてもドリンクはただである。」私は、有名な短期トレーダー、ジェフ・クーパーのこのジョークが好きである。
Posted in 2010年4月6日 ¬ 1:20 PMh.masui
4 銘柄選びが一番大事?
週刊誌、新聞、インターネット上のメルマガなど巷に溢れている株式に関する情報はほとんどが、何を買えばよいかのいわゆる推奨銘柄に集中している。かれらは有望な銘柄を予め複数推奨しておき、その中の一つか二つ当たればこれ見よがしに、自らの推薦銘柄が高い確率で上がったかのように吹聴し、その雑誌やネットサイトの購読者を増やそうとする。
銘柄選びは確かに重要である。しかし、重要なことは他に一杯ある。ある銘柄を選んだとしても、いつ買えばよいのか?予算はどうするのか?目標利益はどれくらいなのか?損失が発生すればどう対処するのか?利益が出たが下がり出したらどうするのか?利益はどこまでで伸ばすのか?いつまで保有するのか?などである。つまり、①仕掛け戦略 ②予算管理 ③利益管理 ④損失管理 ⑤時間管理 ⑥自己規律(ルール全体の管理)など6つの基本スキルがあるレベルに達していないとトレードでは勝てないのである。
ゴルフで言えば、ドライバーだけうまくてもだめで、アイアンもパターもうまくなければいいスコアーは出せないのと同じである。ゴルフがうまい人はみんなある程度うまいわけで、ドライバーだけでは勝てない。株式投資本では「損切りこそ大事だ」と書いているが、これもトレードの一面だけを強調しており、「損切り」のうまい人は実は「予算管理」も「利食い」もうまいのである。
銘柄選びはトレードのスタート地点に過ぎず、本当は株式は買ってからが勝負であり、自動車に乗ったがまだシートベルトもはめず、目的地も設定しない状態である。あるいはこうとも言える。迷路の入り口に飛び込んだだけで、危険なのはこれからでいかに迷路から抜け出すかが大事なのである。
Posted in 2010年4月6日 ¬ 11:46 AMh.masui
3 分散投資はリスク分散?
分散投資とは、投資対象銘柄をできるだけ分散して投資することで、ある銘柄の極端な損失を他の銘柄によってカバーしようというリスク分散の思想を前提にしており、ほとんどの投資信託はこの考え方に基づいている。しかし、この考え方は正しいのだろうか?
かつて、某証券会社の投資商品であるラップファンドという商品に投資していた時期があった。わたしが投資していた時期は、小泉総理が郵政改革を実行しようとしていた時期で、投資環境は極めてよかった。日経平均やトピックスが半年で25%以上、上がっていたときであった。しかし、この時期でもラップファンドは15%くらいしか利回りはなかった。これはおかしな話である。市場の平均的な利回りが25%を超えているのに、その利回りすら稼げないとすると、それはプロの投資とは言えない。このときかれは分散投資を行っており、輸出関連株や資源株が暴騰しているときも、医薬品や電力株などにも投資し、全体の運用の足引っ張っていたのである。そんなことなら、自分で、三菱ファンドか住友ファンドでも作って運用しているほうがよほど利回りがよかったのである。しかも投資信託というのは証券会社から、管理手数料を取られる。そして、運用利回りがプラスであろうが、マイナスであろうが、毎年、保有残高に対して3%も取られるのである。こんな楽な商売はないわけで、そもそも、そのような甘い環境下でどのような優れた投資戦略が生まれてくるのだろうか?
これに対しては株価全体が下がっているときは違うのではとの反論もあるだろう。しかし、株価全体が下がっているときはどのセクトの株も下がるわけで、このときの投資戦略は休むか、ショート(空売り)なのである。いつでものべつまなく株を所有しているのは、管理手数料を稼ぐための抗弁であり、実際、勝とうが負けようが証券会社の腹は痛まないのである。
およそ、すべての勝負事に勝つ秘訣は「精神と時間と資金」の集中から生まれる。分散投資が唯一リスク管理に貢献するとすれば、セクトは限定できても、銘柄を限定できないときのみ使うべき手法である。たとえば、商社株が強いと判断したとき、三菱商事か三井物産かわからないというときである。この場合でも、三菱商事のほうが優位性が高いと判断できる根拠が明確なら、三菱商事のみに投資すべきである。ようするに、分散投資とは何が優位かを判断できない素人の投資手法である。
Posted in 2010年4月5日 ¬ 6:05 PMh.masui
2 好材料で買い、悪材料で売る?
中国の古代思想家である荘子の話の中に、「朝三暮四」というのがある。猿にえさを与えるとき、朝、3個与え、夕方、4個与えると、猿は怒ったので、朝4個与え、夕方3個与えると猿は喜んだと言う単純な話である。同じ材料でも与える順番を変えるだけで中身は同じなのに、怒ったり、喜んだりするという話であるが、株式市場の反応もこれに似たところがある。
株価は自由市場の需要と供給のバランスによって決まると考えられている。人間はその欲望の赴くままに行動すれば、やがて市場において、正しい価格に落ち着くという、いわゆる古典経済学でいう「予定調和」の世界がそれである。しかし残念ながら、株価を動かしているのは巨大な資本家とインサイダーである。これらの人を特定することはできないが、かれらは、とてつもない資金と権力を使って株価を動かしている。そのためにまず予め情報を操作する必要がある。株価を大きく上げたり下げたりしないと利幅を取ることはできないからだ。
トヨタ自動車の例を見てみるとよく分かる。トヨタ自動車のブレーキ事故の問題はどの程度信憑性があるのかいまだに分からない。アメリカ自動車業界と彼らが支持する政治家にとって、「トヨタバッシング」は最初から仕組まれたシナリオなのである。つまり、トヨタを叩けば、議員の人気があがり、GMやフォードはシェアーの巻き返しを狙えるからである。さらにトヨタの株価に与える影響は絶大である。もし、あらかじめ政治家や関係者がこのことを知っていたなら、トヨタの株を「空売り」してから、バッシングを始めるだろう。豊田社長はまるでエンロン粉飾事件の犯人(反社会的な行為をした犯罪人)でもあるかのように公聴会まで引っ張り出され、強圧的、暴力的に謝罪させられたのである。
問題はこの事件の顛末である。「ブレーキの不具合」と死亡事故はまったく関係がなく、ブレーキは踏まれていなかったという事実が後で明らかにされた。しか、しわたしはこのことに一番疑問を持っている。最初からそんなことは分かっていたのではないかということである。トヨタの株価はこの時期から反発しだした。2月まつから3月末まで20%も上がっている。このニュースを流す前に空売り筋は買戻しを完了し、新たにドテンして買いに回っている。ここでまた、「買い玉」をしこたま集めて、このニュースを流したのである。もちろん、これらはわたしの一方的な推論に過ぎないが。
「朝三暮四」のたとえ話は現代も株式市場で通用する。株価は市場で自由に決まるのではない。株価を上げるために好材料を使い、下げるために悪材料を使う。いつどのように情報を出すのかはあらかじめ十分検討されている。シナリオは最初にできているということだ。
好材料があるから株価が上がるのではなく、上げるために好材料を使う。下げるために悪材料を使う。さらに付け加えるなら、テレビや新聞や証券会社から、情報が流されたときはすでに遅いのであり、インサイダーに食べつくされたあとの腐ったりんごにすぎない。ほとんどは材料出尽くしとなり、株価は逆の動きをする。つまり、ある企業が業績上方修正を発表したからと言っても、そんな情報はすでに手垢のついた陳腐で価値のない情報だということである。
Posted in 2010年4月3日 ¬ 11:36 PMh.masui
1 安く買って高く売る?
株式投資の勘違いで一番致命的な勘違いがこれである。かつて、アメリカの天才投資家、ウォーレンバフェットハは「バイアンドホールド」を推奨し、成長力のある企業を早く見つけ、長期的に持つことで何十倍何百倍もの利益を生み出してきた。彼は一度保有した株は滅多に手放さないことでも有名で、その投資スタイルはヴァリュー投資といわれ、企業付加価値の増大を超長期的なビジョンでじっと待つというものである。しかし、この投資スタイルは現代には合わない。彼が儲けた時代はアメリカンドリームの最盛期であり、第二次世界大戦後のアメリカ経済の飛躍的な発展と相俟っていた。それに対して現代の資本主義社会は成熟化し、米国や欧州では過去のような経済発展はもはや望めなくなったこと、また現代の金融マーケットはあまりにも巨大化、複雑化し、特に商品先物、為替先物、オプション取引などの金融派生商品が実体経済や株式価格に影響を与えるようになってきており、企業価値だけに目を向けていれば失敗しないという単純な投資スタイルでは生き残れなくなってきたのである。日本のバブル崩壊後の何年にも及ぶ株価の下落や、リーマンショック後の株価の暴落はウォーレンバフェットでも予測できず説明のつかないもので、このときから、「長期的な企業バリュー投資」の思想は滅んだとみてよい。「安く買って高く売る」というのんきな考え方では今のマーケットに勝つことは出来ない。
最近「投資」と言う言葉に代わって「トレード」と言う言葉が頻繁に使われるようになったのもこの辺りを背景にしている。「安く買って高く売る」という長期的投資の視点を捨て、「値動きに乗って利益を取る」という短期的トレードの視点である。パソコンの発達はこの流れを加速した。特にインターネットの発達は情報インフラを飛躍的に発展させ、株式売買がいつでもどこでもだれでも簡単にキーボードを叩くだけでできるようになった。しかも、それは超格安の手数料によって実行される。さらに、信用取引によりマーケットの資金規模は拡大し、また、信用取引では売りと買いのどちらでもできるので、株価は上がるときでも下がるときでも儲けるチャンスがあるので、事態はますます複雑化してくる。いわゆるブル(強気)相場でのロング(買い)筋と、ベア(弱気)相場でのショート(空売り筋の戦いがマーケットの株価を動かして行く。つまり、マーケットをブルとみる人たちと、ベアと見る人たちの虚虚実実の駆け引きとせめぎ合いが、株価を動かして行くということである。
そうだとすれば企業のバリューやファンダメンタルズはどうなるだろうか?もちろんこれらの要素も株価に影響を与えるが、むしろ逆に巨大な資本家やインサイダーによって材料として利用されることのほうが多い。上場企業の多くは巨大で複雑で多面的である。いろんな顔と情報を内包している。われわれはその一部の情報をしかもかなり遅れて知らされるに過ぎない。いい情報を得て単純に株価が上がるのはまれであり、大概は材料で尽くしで下がり、材料が出たときいったん天井をつけることが多い。つまり、巨大資本家はとっくの昔にその材料を掴んでおり、出し抜いて買っている場合が多いからである。証券会社が出すレーティングなども大概ちょうちん持ちをさせられるのがオチである。
「安く買って高く売る」のもうひとつの勘違いは、もしその株が下がっているから安いと思うのなら大抵それは大きな勘違いだということである。株価が下がるには下がる理由がある。なぜそこまで下がっているのか理由をはっきり掴む必要がある。理由も分からないのに下がっているだけで買うのは危険である。テクニカル分析で売られすぎの指標が出たからなどいう一面的な理由で買うのは愚の骨頂である。テクニカル分析は過去のデータの結果であって、未来の予測能力はまったくない。トレードで重要なのは強いか弱いかだけであって、安い高いは何の意味もない。高くても強い株はあるし、高いからますます強いということもある。同じように安いがまだまだ弱い株もあるし、安いが強くなってくる株もある。強ければ、高くても安くても買いであり、弱ければ、安くても高くても売りなのである。つまり、トレードとは強気(ブル)を買い、ベア(弱気)を売るマネーゲームだということをしっかり頭に焼き付けておく必要がある。
Posted in 2009年12月16日 ¬ 1:36 PMh.masui
先日、ブログ情報から若手トレーダーの集まる忘年会を知り、参加した。参加メンバーは株式トレーダー、FXトレーダーと分かれるが、FXトレーダーが断然多い。彼らは総じて30歳前後で殆どが専業トレーダーである。前に座った若者は「今年はどうにうか1000万円稼きました。」と恥ずかしそうに話す。彼らにとって1000万円トレーダーはまだまだ駆け出しと言わんばかりの口調だった。
若いFXトレーダーは株式投資で失敗している。株式投資では銘柄選びが難しく、また、株価が1/2になることもざらで、資金の少ないトレーダーはすぐに破綻してしまうそうである。その点、FXでは銘柄は一つだし、為替が数ヶ月間で1/2になることはないという。それに自己資金の200倍まで取引でき、手数料以外に金利はかからず、しかも期限の限定もない。気になるリスク管理では、自己の口座がパンクすれば止めればよいという。
天才的なトレーダーでは年間に10億円くらい稼ぐ人もいるそうである。わたしの横に座った人は「昨日、急激に円安に振れて2800万円損しました」と、いとも簡単に言う。本当に恐ろしい新人類の集まる忘年会である。
日本経済は大不況で、雇用状況は厳しく、若者はいったん会社を辞めると新たな就職口はなく、フリーターとして、夢のない人生を送らなければならない。しかし、そこに集まったトレーダーは違う。最低でも1000万円稼ぐ専業トレーダーが一同に(70人ほど)集まったのである。天才トレーダーの周りにはその話を聞きたい人たちが一杯集まり、なぜか奇麗な女の子も一緒に付いていく。それは新人類・FXトレーダーの民族移動である。
ここで、民族移動などどだいそれた表現を使ったが、もう一つ意味がある。実は税金面でFXは極めて不利な立場にある。株式は分離課税で税率は10㌫だが、FXでは雑所得で総合課税なので、大きく稼ぐとその税率は40%を超えてくる。したがって、この所得税の節税に苦労しなければならない。今、かれらは、法人で運用する方法を考えているが、それとて、節税には限界があろう。いっそのこと海外に移転するか法人を置くなどして、節税を考える必要があると思う。
もとより、ゲーム感覚で自由にパソコンを操縦できる天才トレーダーである。インターネットを通じて彼らの投資マネーは世界を駆け巡るであろう。まさにこれこそ民族の大移動である。
しかし、誰もがFXで勝てるわけではない。おそらく真に生き残れるトレーダーは1000人に一人くらいではないだろうか?トレードはほんの一握りの人が多くの素人のお金を奪うゲームである。そうならば天才トレーダーからスキルを聞き出すことはできないだろうか?しかしこれは無理である。かれらは、自己の投資手法に関しては極めて寡黙である。
いずれにしても、世界的な不況下のなかで、「新人類FX・遊牧民」が台頭してきていることだけは間違いがない。
Posted in 2009年5月31日 ¬ 10:07 PMh.admin
ジョイントコーポレーションが倒産した。会社更生法の適用を受け、6月30日付けで上場廃止となる。負債総額は1680億円とかなり大きい。前期までは申し分ない黒字(経常利益240億円)を続けていたが、2009年3月期に1回大幅赤字(340億円)を出したが最後、突然、つぶれてしまった。オリックスなどの資本参加(40%保有)を受け、再建計画中であった。
マンション市場の冷え込みは尋常ではない。国土交通省の発表によると、分譲マンションの新規着工戸数は前年比 65.9%減と著しい落ち込みである。在庫調整は一向に進んでおらず、巷に売れ残りマンションがあふれている。このような中で、マンションデべロッパーや、不動産ファンド会社(REATを主に扱う企業)が無事でいられるはずがない。
昨今、不動産の流動化と称して、怪しげなビジネスが流行している。物権は絶対的、排他的、独立的な性格を有し、債権とは相容れないものであると、確か、民法で大学時代学んだ。それが、5、6年前から、アメリカの独創的な?ビジネスモデルにより、不動産をsho証券化するというマジックをやってのけた。このことにより不動産の小口投資が可能となり、マンションの区分所有はおろか、100万円で5口といった具合に不動産を証券として所有できることができるようになったわけである。この手法により、収益不動産を丸ごと、つまり何棟もの貸しマンションやテナントビルを一つの投資対象としてまとめ、これを小口化し、一般投資家に売っていたのである。こういったビジネスを得意としていた代表選手がジョイントコーポレーションだった。
確かに、この革命的アイデアによって不動産および金融ビジネスは拡大、活性化したかもしれない。しかし、不動産は所詮不動産であって、その価値はいつかかならず下落する。とくに、マンションは土地より激しく下落することは、バブル崩壊で経験済みである。収益物件の賃料収入に天井がある限り、価格は上がり続けることはないわけだし、いつかマンションが供給過多になれば、空室率が増え、収益率も落ちるから、その価格は必ず下落する。
一度、下落するや連鎖的に負のスパイラルが起こり、貸借対照表のバランスは一気に崩れ、債務超過となる。債務超過になる対象は、企業、個人を問わない。借入金で土地を購入し開発したデベロッパーはもとより、借入金で不動産やリートを購入した企業や個人も債務超過となる。とくに、不動産証券化商品(リート)の回収可能性はもっともあやしくなる。なぜなら、永遠に投資し続けることが前提の金融商品で、清算を考慮していないため、全員が回収に走れば、区分化した不動産債権など紙の上の約束に過ぎず、かつてのゴルフ会員権のような悲劇的な結末になることは目に見えている。
いずれにしても、不動産価値の下落に伴う、不動産証券化商品(リート)の崩壊は避けて通れない。その時は、かつて、日本が経験したバブル崩壊のときの損害より高くつくかもしれない。ビジネスが膨張した分、痛みも大きくなるわけだ。
さて、株価に対する影響であるが、これはかなり深刻なものになると思われる。オリックス、メガバンク、不動産、建築セクトは、これを機に大幅な調整局面に入ることは必至である。オリックスは大京の大株主でもあるから、市場の不安と恐怖は増幅する。ショート(空売り)で仕掛けたいが、うまく取れるかどうかは又別の話である
Posted in 2009年3月7日 ¬ 8:30 AMh.admin
米国のジェネラルモーターズ(GM)に対して、監査法人から「継続企業に疑念が持たれる」との報告書が出されたという。しかし、GMはとっくの昔に 債務超過に陥っており、直近の赤字も日本円で3兆円を超し、累積赤字は8兆円を超えている。こんな企業に今さら「継続企業に疑念が持たれる」とは間の抜け た監査報告であり、一体今まで監査法人は何を指摘してきたのかと言いたい。そして、こんな報告書で株価がさらに下落するのもおかしな話で、とっくに株価に 折込済みだと思うのだが、まだまだ下落余力があるらしい。それはそうだろう。債務超過が巨額なら、株価はマイナスと言うことであり、1株1ドルという株価 もまだまだ割高ということになる。
さて、こんな企業にオバマ大統領はどこまで付き合う気なのだろうか?会社が利益を出している時は超高額な役員報酬を取り、余った利益を殆ど配当して しまう。労働組合はどんどん強くなり、将来の退職金(負の財産)を積みます。GMの没落はアメリカ流の短絡的な快楽主義がもたらした結末である。アメリカ はイソップ物語の「蟻とキリギリス」のキリギリスなのである。今、キリギリス(アメリカ)は蟻(日本)に助けを求めているが、それはお願いではなく、政治 的軍事的圧力をかけてくるから、むしろ強制または命令である。今後、日本経済にも多額な負担と痛みを与えることになるだろう。
さて、GMはつぶれるいやすでにつぶれているとすると、政府の支援にも限界があろう。これを続けていくと、一企業の経営失敗のつけを国民やほかの優 良企業が被ることになる。こんなことはいつまでも続くわけはない。というわけで、いかなる痛みを伴おうともGMは破産法の適用を受けるべきである。それが 自由主義資本経済の必然的論理的帰結である。
GMは破産する。このことを前提に置くと、最近のアメリカ経済の没落はまだ始まったばかりでほんの序章に似すぎないのではないかと思われる。米国の 自動車産業に従事する労働者(250万人という)や、関連企業は軒並み破綻するわけだから、その傷口はますます広がり、アメリカ経済は出口のないリセッ ションに陥り、世界恐慌となるやも知れぬ。
当然、日本の株価もアメリカのあおりを受け、まだまだ下がるだろう。自動車株や銀行株も下がるだろう。しかし、中長期的に見ると、日本企業はアメリ カほど弱くないと思われる。それは、アメリカ企業と違い内部留保が厚いからである。日本企業は配当率が低く役員報酬も低いと批判されてきたが、むしろこの ことが日本を救うことになる。トヨタは直近4000億円もの赤字を出したが、トヨタの資本蓄積は分厚く、今後30年同額の赤字が続いてもつぶれないといわ れている。すでに日本円で8兆円以上の赤字を抱えているGMとは中身がまるで違うわけである。まさに「乞食と王様」である。
したがって、日本株の将来は意外に明るいと考えられる。短期的な下落の後、底堅く推移したあと、かならず上昇してくるであろう。世界的な企業再編が起こったその時に、体力が十分温存されている日本企業が一番早く復活してくると考えられるからだ。
日本株は短期的には様子見だが、中長期的には買いということになるのだろう。ただし、「デイトレーダーのマッスンにはかかわりのないことでござんす」。
Posted in 2009年2月13日 ¬ 10:45 PMh.admin
経済指標だけで株価の未来が占えるなら、誰でも株に勝つことができるだろう。しかし、実際はこの逆で株価は経済指標を先取りする。同じことがニュー ヨークダウと日経平均にも言える。つまり、昨夜のニューヨークダウは日経平均を動かすことができても、それはせいぜい前場までで、後場は今夜のニューヨー クダウの値動きを先取りする。
「ニューヨークが上げたのになぜ下がるのか」と嘆いている時ではない。今夜、ニューヨークで予期せぬ悪いニュースが飛び出してくると考えたほうが良い。
ファンダメンタルズもテクニカルも過去の数値から導き出されたもので、残念ながら予見性はない。PER(1株あたり利益)や(PBR)純資産倍率も同じで、最近のような業績悪化ではPERは急上昇するのは当たり前で、それ自体さほど意味はない。
株価を動かすものは、将来、企業の業績になんらかの影響を与えるような材料である。業績が上がれば会社の規模は大きくなり資本が蓄積されていくし、逆の場合は会社の規模は縮小し倒産するかも知れないからだ。
しかし、いい材料か悪い材料かは誰にも正確には予測できない。買収一つとっても、買収した会社が金の卵になるのか、腐った卵になるのか分からない。
自然発生的にいい材料が出て株価が上がることはまれで、全てのニュースや材料は株価操作に利用される。証券会社が出す「レーティング」などもそうで、最初から自社に有利なように株価を動かそうとしていることが多い。
つまり、材料があるから株価が動くのではなく、材料を利用して株価を動かすのである。巨大な資本を持つプロ筋が株価を動かしているのである。彼らが ある株を下げようとして悪い材料を出し、徹底的に売り崩せば株価は下がる。株価はある程度下がれば、後は慣性の法則で加速度的に一方向に動く。そして、最 終的に狼狽売りが出つくして、売る人がいなくなれば、これを買い集め、次には悪材料出尽くしで上げ出し(買い上げていき)、今度はいい材料を小出しにして 行く。レーティングも「あまりに割安で新規買い」などとやってくる。狼狽して売ってしまった素人は、まさに羊のようにきれいに毛を刈り取られることにな る。
市場は巨大な資金と情報を持つ頭脳集団と、わずかな資金で情報もスキルもない素人集団との戦いである。勝敗は目に見えているというより、これは戦いではなくい。言い換えれば一部のプロが素人の金を巻き上げる仕組みになっているということだ。
このことが分かれば、ホリエモンや村上ファンドに憤りを持つことも愚かなことである。もっと巨大な資金と力で市場は操作されているわけで、表に出てくるのは氷山の一角にすぎない。
とすれば、我々が信じれるのは目の前の株価の動きだけと言うことになる。目の前の株が強いか弱いかを冷静に観察し、その動きに付いていくしかない。 残念ながら株価には記憶装置がない。過去の株価をすっかり忘れてしまう。その株価をめぐって繰り広げられた戦いは、飛行機も戦車も軍艦もない古い時代の戦 いで、応仁の乱か源平合戦くらい昔の話と考えたほうが良い。